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人生とは、自分でいくつもの扉をひらき、こつこつとつくりあげていくもの。イタリアと鳥取に住まうアラ還国際婚夫婦が、幸せになるヒントを追求&発信するblogです

イタリアのニッチな歩き方:お土産編

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〔D.O.C.表示のいろいろ〕

[2]イタリアワインの選び方
 スーパーやコンビニのワインコーナーにいくと、日本の酒屋さんのように棚いっぱいにワインが並んでいます。白・ロゼ・赤ワインと分けて並べられていますから、わかりやすく選びやすいです。価格も数ユーロ~と、日本人の《よいワイン=高い》といったイメージを覆されます。水と一緒に当たり前にワインが並ぶイタリアの食卓では、嗜好品というよりも生活必需品であり、価格もそれ相応にリーズナブル。とはいえ、ワインへのこだわりは強く、品質のよい本物のイタリアワインへのプライドもかなりのもの。下手に品質の悪いワインに手がだせません(選ぶワインの品質で生活の質をCHECKされる感じでしょうか)。ワイン棚にはペットボトルや紙パックに入ったワインも並んでいますが、主人のFabは「偽物の屑ワイン!」と口をへの字にして顔をしかめます。・・・ということは、せっかくのイタリア土産としてワインを買うのであれば、品質のよいワインを手頃な値段でgetするのでなければ意味がないですよね。我が家では、渡航の度に少なくても5~6本は一つのトランクに詰めて持ち帰ります。ただし、割れないようにしっかり荷造りをして下さいね。
 では、《どうやって質の良いワインを見分けるか》ですが、Fabは次の1と2を基準としつつ、自分の好きなワインリストを作っています。
*****【質の良いワイン選び】*************************************************
 1.[最低条件]本物のコルクで打栓されているか?
 2.[ 格付け  ]「D.O.C.G.」や「D.O.C.」表示のcheck

   3.格付けのないワインにもよいワインはあるぞ!
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1.本物のコルクで打栓されているか?
 ガラス瓶(1600年代)とコルク栓(1700年代)の開発によって、ワインは長期の熟成が可能となり運搬もしやすくなったことで、今日のような世界的なワイン文化ができあがりました。今は、コルクの替わりに人工樹脂の栓やスクリューキャップのワインも多くみられます。けれど、イタリア人には、《コルクで打栓されたワイン=本物》という感覚が染みついているようです。それは、《おいしさを何で感じるか》ということに関わっているようで、面白いコラムを見つけましたのでご紹介します。
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 2017年イギリスのオックスフォード大学のCharles Spence教授が興味深い実験結果を発表しました。全く同じ赤ワインをそれぞれコルクとスクリューキャップで打栓された容器に詰め替えて、被験者140人に飲んでもらったそうです。その所、中身は全く同じなのに113人はコルクで打栓されたワインを「美味しい」と答え、残りの27人だけがスクリューキャップのワインを支持したそうです。
 この実験が明らかにしたことは、ワインの味覚は、飲み手はワインを口にした時の直接的な風味だけでなく、栓などの視覚的要素が味わいまでに影響を与えているということです。
注)参考サイト:「ワインにはなぜコルク栓が使われているのか?」
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/4201/
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2.格付け:「D.O.C.G.」や「D.O.C.」表示のcheck
 次は、イタリアワインの格付けの確認です。イタリアには、EU法に準拠したD.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)原産地名称保護制度があります。伝統や地域に根ざした特有の食品などの品質認証・保護のために1992年に制定されたもので、規定された製法により生産・加工・調整されたことを示します。対象となる食品としては、ワイン、チーズ、ハム、ソーセージ、オリーブ、ビール、パン、果物、野菜などとなっています。このD.O.P.に相当するイタリアワインの従来から原産地表示(DOC法)の等級が「D.O.C.G.」「D.O.C.」になります。
*****【イタリアの上位格付けワイン】***************************************
 1.[最高ランク]D.O.C.G.  (統制保証付原産地呼称ワイン)
 2.[ 次ランク  ]D.O.C.      (原産地統制ワイン)
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D.O.C. (Denominazione di Origine Controllata)
 D.O.C.には一定の審査・検査が定められており、生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、アルコール含有量、熟成方法、色調、香り、味わい、酸度など、栽培から製造・出荷に至るまで基準が定められています。D.O.C.規定の詳細は、その地域の生産者たち(品質保護協会等)によって決められ、その案がローマにある国立原産地呼称委員会に提出され、委員会によって審議・決定される仕組みになっているそうです。
 D.O.C.の確認は、写真のようにボトルの注ぎ口にシールが貼ってあるものもあれば、ラベル(エチケット)に記載されているものもあります。
D.O.C.G.(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)
 D.O.C.G.ワインは、D.O.C.ワインの中で「格別に評価の高い」 ワインとして国が保証するものです。格付けを申請する5年間以上D.O.C.のカテゴリに属し、厳しい制約をクリアしたワインで、農林省、商工会議所の化学・物質検査に合格したことを示す政府認証の公式シール(赤ワインには紫色、白ワインには黄緑色のラベル)を貼ることになっています。

3.格付けのないワインにもよいワインはあるぞ!

 イタリアワインの格付けは、生産者に高い品質管理を義務づけてワインの質を高めているのももちろんですが、偽物を造りにくくしていることも確かです。その一方で、批判的な意見もあるそうです。それは、申請の手続きが煩雑であったり、細かい規定を嫌って、あえて品質認証をめざさない規模の小さな生産者も少なくないとか。加えて、Fab曰く、「制度の運用上で水面下のやりとりもあるのがイタリア流。何でも無条件に信じるのもどうかと思う」。ということは、認証がないものでも美味しいワインがある!それに、高い格付けされたワインであっても、すべてが個々の好みに合うということもあり得ない話です。
 とすれば、高い格付けのあるワインは、もちろんお土産用としては格があるワインとして、《格付けのお話》と一緒にお届けするには適しているといえるでしょう。そして、格付けをワイン選びの一つの指標としつつ、気になる産地や好みの銘柄のものを山のようなワインの中から探すのも楽しいですよ。Fabは、ピエモンテ州トスカーナ州のワインがオススメだと申しております。

注)参考サイト:「DOCG&DOCイタリアワインのカテゴリー」
http://www.italy-wine-jiten.com/ita_1/docg.html