ひらく*つくる*暮らす

人生とは、自分でいくつもの扉をひらき、こつこつとつくりあげていくもの。イタリアと鳥取に住まうアラ還国際婚夫婦が、幸せになるヒントを追求&発信するblogです

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6.人生100年時代と「自分の生きる世界」

 人生100年時代といわれるようになりました。厚生労働省によれば、2017年の高齢者調査で100歳以上の高齢者は全国で6万7824人、20年間で6.7倍も増えたのだそうです。その上位は西日本の県が多く、5年間トップを走っているのが島根県、次いで鳥取県だそうです。長寿の県ということもあるでしょうが、高齢者の多い県であることや、都市部に比べると、二世帯・三世帯で住まわれている高齢者も多いこともあるでしょう。
 そうなってくると、いかに健康寿命を伸ばすかということが大切ですよね。私の知っている鳥取県中山間地域(日南町)では、60代はまだまだ青年、80過ぎてようやくお年寄り。というのも、若い世代が村にいないので、村の自治に関わること、農作業に関わること、全部を皆さんが元気に請け負ってやっておられます。日々、忙しく体を動かしておられるので、農作業などしたことのないデスクワーク中心の者(私も含め)からすると、よっぽどお元気です。一度、握力を測定させていただいたことがあるのですが、高齢女性の方でも男性並みの40kg近くあるんです!(普通なら23~25kgが平均)。一方、私は平均以下でした(情けない・・)。
 そんな体力測定と一緒に、「生きがい」も調査したのですが、面白いことがわかりました。女性の関心は身近な地域の中で満たされるのですが、男性たちの関心は地域内におさまらず、日本、世界へと向いています(新聞やニュースの見方にも違いがあるようです)。ということもあって、男性にとって関心を満たし、生きる世界を広く保つには、どうしても自動車は欠かせません。この地域の男性は、80歳でもほとんどの方が運転されていたのですが、運転免許を返納したり、家族の意向で運転ができなくなると、体力も一気に低下し→食欲がなくなり→さらに体が衰えるという悪循環に陥ることがわかりました。女性の場合は、身近なところでのコミュニティに支えられ、生きがいを感ずる場があるので(お茶飲み女子会がほぼ毎日開催されています)、その傾向は明確にはみられませんでした。
 以上の調査から教わったことは、「体の衰えも加味しながら、《自分の生きる世界》をいかに確保していくか」ということ。人生100年に向けて、精神的に健康であり続けるための大切な課題です。