ひらく*つくる*暮らす

人生とは、自分でいくつもの扉をひらき、こつこつとつくりあげていくもの。イタリアと鳥取に住まうアラ還国際婚夫婦が、幸せになるヒントを追求&発信するblogです

つくる―ハンドメイドを楽しむ

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〔この作品は、お宮参り用のおくるみとして北海道へ旅立ちました〕


1.はじめに-手仕事の楽しみ-

 仕事を早めにリタイアして、まず無心に始めたのが「つくる」ことでした。そういえば、手芸や裁縫が自分の一番の趣味だったなぁ。。。と改めて実感。なんたって、大学生になって始めたアルバイトの目的がミシンを買うことで、ひと夏、広島の本通の靴屋さんで稼いだ7万円をすべてミシンにつぎ込んだくらいでしたから。それが嬉しくて、ワンピースやツーピースを作って楽しんでいました。そうそう、冬には週1枚のペースでセーターやカーディガンを編んでいたなぁ。なんたって、テレビのないラジオだけの下宿生活でしたから、時間はいっぱいあったのです。
 こうやって没頭していると、懐かしい記憶がよみがえってきます。勤めていたときに、上手に時間を作ればやってやれないことはなかったはずなのに、気持ちが忙しくて、家でやりもしない仕事や書類を持って帰って、また持って行って・・という繰り返しでした。ですので、裁縫や手芸に没頭できたのは、育児休暇や専業主婦時代以来のことです。
 当時と違っているのは、型紙を引き、自分でデザインをするようになったことでしょうか。というのも、今凝っているのが、着物のリメイクなので、布幅は広くて36センチ程度。しかも、中古品ですから、ほころびや取り除けない汚れがありますし、模様の配置にも工夫が必要となってきます。悩ましい・・でもそれがなんと楽しいことか!ついには立体裁断をすべく、ボディまで購入してしまいました。
 人間は、二足歩行で手が自由になったこと、《手は第二の脳》と言われるように手を通して考えることで進化してきたというのも頷けます。人は《つくること》から離れられないし、離れてしまったらきっと退化してしまう、そんな気がします。一人の人生のスパンで考えるなら、元気でいつまでもいるためには手を使い続けることが重要で、それが趣味となれば言うことないですよね。《アンチエイジングには手仕事を!》です。
 しかし、つくづく思うのですが、ここ10年の間にインターネットを通じて手作り作品を売るサイトが立ち上がり、プロからアマチュアまで多数のハンドメイド作家がどんどん増殖中です。日本人は器用で、しかも専業主婦が多い国だからか?ということも考えられますが、そこには、日本の学校教育のカリキュラムも大いに関係しているように思います。家庭科や図画工作・美術といった教科で、子ども達みんな一通りの手仕事やデザイン、イメージをカタチにするトレーニングを楽しみながら一貫して学び続けているからです。このような教科がある国は意外にも少ないのです。もちろん、イタリアに家庭科はありません。イタリアでは手仕事労働の地位は決して高くありませんが、手仕事の作品については日本以上に評価が高いように思います。その評価の観点はオリジナリティであることがよくわかります。料理にしてもハンドメイドの服にしても「オリジナーレ。ブラーバ!」と、イタリアのマンマはいつも褒めてくれます。